人気ブログランキング | 話題のタグを見る
After Affair...
mer385.exblog.jp

その後。。

by mer385
東京タワー

友達と東京タワーに行った。




展望台1階のカフェでいろんなことを話した。

彼の親友だと豪語するこの男。

何もわかってない。

彼はそんな人ではない。

私は、親友のあなたも知らない彼の顔を知っている。

目の前にいる女がまさか彼とあんなことになっていようとは

親友のあなたは知らないのでしょうね。

少し意地の悪いことを考えてしまった。



足元の"Look Down!!"という小窓から下を見る。

ライトに照らされて地上が良く見えなかった。

それでもこの男は怖がっている。

落ちるわけでもないのに。




この場所と同じ名前の作品。

友人が好んで読む類の小説。

"恋はするものではなく、落ちるものだ"という名言があるという。

落ちてしまうとどうなるのだろう。

1人で地上に叩きつけられるのか。

2人でふんわりと着地できるのか。



私はきっと前者なのだと思う。

彼の手は掴めるのかもしれない。

でもきっとその手は振り解かれるだろう。


そして、2人の姿を目に焼き付けながら落ちてゆく。





家まで送り届けてもらった。

助手席のドアを開けて車外に出た。

気温差に少しだけ眩暈を覚えた。

"ありがとう、楽しかった"

歪んだ心に精一杯の笑顔で告げる。

そんな私の心を知っているのか、この男はこう言った。

"あいつ・・・早く帰ってくるといいな"



私は全身が強張るのを隠すように、笑顔を取り繕った。

この男もつられて不器用な笑顔を見せる。

"・・・ほら、お土産楽しみじゃん!"

空気がほぐれて、2人で笑う。

私は男に"おやすみ"と告げ、背を向けて歩き始めた。

これ以上、ボロが出ないように、足早に。




この男は知っているのだろうか。

彼が話したんだろうか。

2番目の女なんて誰にも知られることはない

日陰の生活に慣れようとしながらも、寂しさを感じていた矢先のこと。

私と彼のことを知っているかもしれない人がいる。

この事実で私は少し救われた気がした。



"彼と彼女"ではなく"彼と私"を見てくれる人もいるのかもしれない、と。
by mer385 | 2005-07-21 23:29 | 日常